特定非営利活動法人たかつき
デイサービスセンター晴耕雨読舎
平成30年3月掲載
担い手育成 市民雇用・援農 レクリエーション
食育 高齢者の健康 福祉
交流 地産地消 環境
 

高齢者デイサービスでの農園芸の取り組み

  • 利用者の状況にあわせた園芸療法で心身機能維持・向上をはかる

取組みの概要

 晴耕雨読舎は高槻市北部の山間部にあり、人口約35万人の都市である高槻市の中において自然豊かな環境に施設がある。

 通所介護施設である晴耕雨読舎には、現在、日中の介護支援が必要な高齢者22人が利用しているが、その利用者の9割以上が農園芸に関心があり、さまざまな園芸療法を受けることにより高齢者の生きがいづくりや心身機能維持・向上を図っている。

 晴耕雨読舎では畑7a、花壇3aで農園芸が行われており、敷地の60%が農地となっている。その畑の半分程度は腰高の花壇になっていて足腰の負担が少なく作業ができるレイズドベッド方式になっており、おもに利用者個人の畑として活用されている。特にこの個人用の畑(1m×0.6m)では、作物の植え付けから収穫までをできるだけ一人の手でおこなうように活用されていて、農園芸を通して一つでも自分でできること、やりたいこと、楽しみなことを見出して、「行きたい」デイサービスになることを目的にされている。

 また、農園芸活動には、芽が出た、花が咲いた、実がなったなど作物の生育の段階に合わせて活動を促す機会があり、普段の生活で身体を動かすことが少ない高齢者にとって、農園芸は自然な流れで身体を動かすきっかけになっている。

 晴耕雨読舎での農園芸活動は、心身機能維持・向上のほか、生きがいづくりを目的にしているが、自ら育てた作物を食べて旬を感じ、自然に接して四季を感じることなど、五感を刺激することも大事にしている。そして、晴耕雨読舎に「行きたい」からさらには、「生きたい」という気持ちになってもらうことを心がけている。

 高槻市にはデイサービスが60件以上あり、施設供給が十分で定員には余裕があるため数ある施設の中から特徴のあるサービスで選ばれることが経営上求められる。晴耕雨読舎の農園芸活動は、要介護者家族から相談を受けるケアマネージャーからの評価も高く、農園芸活動を紹介されて晴耕雨読舎の利用を決める方も多い。
 
晴耕雨読舎全景


レイズベッドの農園芸

耕作地確保・営農主体など

・市街化調整区域の農地16.5aを農地法3条許可によりNPOが賃貸借(10aを菜園利用)

・建物は、人を介して賃貸借

・22人の利用者については、介護保険サービスとして実施。

・NPOは、他の場所で高槻市の単独事業により、「まちかどデイサービス」として、介護保険対象者以外の高齢者を対象とした農園芸を実施している。

・農園芸は、施設職員に農業経験はほとんどないが基礎的な農園芸知識を持って、利用者への指導を行っている

・現在は既存の旧い施設を利用しているが、その改修や新築について、都市計画法の開発許可のバリアーがネックとなっている。
 
レイズベッドの農園芸


収穫の楽しみ
 都市農業の機能発揮
高齢者の健康・・・農園芸活動は利用者の能力や身体状態に合わせてさまざまな作業が考えられ、ひとりひとりに合わせた健康づくりになる

レクリエーション・・・楽しんで農園芸にかかわることが生きがいにつながる


団体概要
 団体名 特定非営利活動法人たかつき デイサービスセンター晴耕雨読舎
活動地域 大阪府高槻市
問い合わせ  TEL:072-689-9112 
 ホームページ http://npo-takatsuki.org/seikou-udoku/ 

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都市と農の共生
はじめに
事例紹介