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  • 都市と農の共生をめざして~都市農地センター

レクリエーション
担い手育成・食育・交流

レジャー感覚で農作業を

  ・民間事業者による市民農園の展開

取組みの概要

 神奈川県伊勢原市の郊外にある「アグリパーク伊勢原」は、各地で市民農園開設事業を手掛ける株式会社アグリメディアが運営するレジャー農園である。

 もともとこの施設は伊勢原市が平成23年に設置した市民農園「八幡谷戸ふれあいガーデン」であり、平成28年度からアグリメディア社が指定管理者として施設運営を担っている。

 総面積は約15,000㎡、市が市民農園として開設している区画部分と、アグリメディア社が自主事業として展開するサポート付きレンタル農園(10㎡区画が中心)や収穫体験ゾーン、バーベキュー広場、クラブハウスなどから成る。

 市民農園は、市がふれあいガーデンとして開設以来、継続されているもので、当初は30㎡および50㎡の区画を200以上有する日本でも最大級の市民農園であった。アグリメディア社の管理となってからは、サポート付きレンタル農園と、ベジQ(バーベキュー)用の収穫体験農園にリニューアルされ、一部に50区画程度、元の市民農園を残している。この市民農園は、地元在住のリタイア層を中心として6割程度の区画が利用されている。

 一方のサポート付きレンタル農園は、アグリメディア社が「シェア畑」という名称で首都圏を中心に展開している貸農園システムである。

 シェア畑は、遊休農地・遊休地をリメイクし、都市住民が手軽に野菜作りを楽しめる農園としてサービス提供するもので、利用者が手ぶらで来ても野菜作りを楽しめるよう、種や苗、肥料、農機具、資材などあらゆるものが用意されている。また、農作業経験が無くても、経験豊富なアドバイザーのサポートを常に受けることができ、農園の作付計画に基づいて安定的に多品目の野菜を収穫することができるシステムである。

 アグリパーク伊勢原には、このシェア畑が200区画ほど開設されており、10㎡の区画が1か月12,960円~という利用料金である。一般の市民農園と比較すれば決して安価ではないが、上述したサービスをすべて受けることができ、さらには園内のクラブハウス(休憩所)の利用、バーベキューの利用、また近隣の温泉地と提携した温泉の割引利用まで、様々なサービスが用意されている。そのため、地元住民はもとより、横浜市や東京都内からレジャー感覚で訪れる利用者も多く、区画の利用率は8割にのぼる。区画を借りていなくても、収穫体験+バーベキューという利用形態も可能で(2,500円/人)、ピーク時には月に1,000組を超える利用があるという。

 農園の運営は、アグリメディア社の社員2名、アドバイザーを含む雇用スタッフ8名、ほか若干名で施設全体を管理している。スタッフは常時3~4人が出勤しており、利用者のサポートにあたる。
特にアドバイザーと呼ばれる専門スタッフは、地元で求人をかけ、地域住民から採用されている。農業の知識や技術はもちろん、接客面のスキルも重視されるという。

 その他、この農園では飲食店による区画の利用がある。横浜や都内の飲食店が、大きいところでは100㎡の区画を借り、自店の食材生産に利用している。「自社農園の野菜を使用」を標榜することが経営上のメリットになるという。また、従業員のレクリエーションとして農園(バーベキュー等)を利用するケースも多い。この飲食店利用に関しては、定期的な収穫と配送(有料)のサービスも行われている。

アグリパーク伊勢原

クラブハウスノテラス

50㎡の区画が並ぶ 

アドバイザーによるサポート
(シェア畑八王子)

耕作地確保・営農主体など

・敷地は市が特定農地貸付法に基づき地主から借受けている市街化調整区域内農地であり、アグリメディア社は市事業の指定管理者となっている。

・なお、アグリメディア社が各地で展開しているシェア畑は、ほとんどが市街化調整区域内農地か宅地化農地を利用した特定農地貸付法に基づく農園である。

都市農業の機能発揮

評価ポイント!

レジャー感覚の農作業、レクリエーション施設としての農園、という都市生活者の新たなスタイルにマッチしている

団体概要

団体名株式会社 アグリメディア
活動地域神奈川県伊勢原市(アグリパーク)
東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫(シェア畑)
問い合わせシェア畑フリーダイヤル 0120-831-296
ホームページアグリパーク伊勢原 http://agripark.jp/
シェア畑 https://www.sharebatake.com/