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  • 都市と農の共生をめざして~都市農地センター

環境
食育

自然に触れて、生命の尊さを理解する子どもを育てる取組み

  ・ESD(持続可能な開発のための教育)の推進拠点

取組の概要

 大阪市立晴明丘小学校は全国でも珍しく、児童の自然観察学習の場として校内に「自然観察学習園(以下、観察学習園)」が整備されている。観察学習園にはビオトープ、田んぼや畑、花壇があり、季節の花や野菜(なにわの伝統野菜など)が植えられ、トンボや蝶などの昆虫観察のほか、園内の田んぼを活用した米づくり体験(5年生)、社会学習「私たちの大阪」の一環としたなにわの伝統野菜の栽培(4年生)など、多様な科目の学習の場となっている。

 観察学習園は、平成12(2000)年に晴明丘小学校創立100周年を記念した事業の一環として、当時のPTAをはじめ児童や教職員のほか、地域住民などのボランティアによって学校内に作られた。観察学習園は広いスペースが確保されているが、昭和28(1953)年に旧西運動場全体の土地を当時のPTAと地域の人が協力して校地化した一部に建設されている。

 観察学習園は学校の管理の下、「地域園芸クラブ(以下、クラブ)」と連携して運営が行われている。そのため、観察学習園の植栽は小学校の植栽計画に基づき、学校、PTA、地域園芸クラブによる話し合いで決定している。

 クラブは、①学校の植栽計画と連携しながら、潤いある園芸活動を行う、②互いの親睦を深めながら、作物の栽培だけでなく広く児童の学習活動に参加したり、学習全般の環境保全にも協力していくことを目的として活動している。クラブの会員は70名ほど(令和2年4月時点)で、元PTA、地域住民、現PTAの有志によって構成され、観察学習園の維持・管理をボランティアで手伝っている(月3回)。観察学習園は学校関係者だけでなく、地域住民のかかわりが強いことも特徴である。

 観察学習園は、平成25(2013)年9月に「ユネスコ・スクール」に認定され、ESD(持続可能な開発のための教育)の推進拠点となったことで、地域園芸クラブでは「小学校課程で学ぶ植生物を学校内で観察できるようにすること」を目標に定め、活動に取組んでいる。

 

取組みの経緯

平成9 (1997)年  開墾作業の開始
平成12(2000)年 田んぼ、池や川を作る。米づくりを開始。地域園芸クラブ設立
平成13(2001)年 「自然観察学習園」竣工
平成20(2008)年 天王寺かぶらの初栽培

自然観察学習園の概要

観察学習園の建設にあたり、自然観察学習園運営委員会規約の第1章・第1条の趣旨と目的として、「大阪市立晴明丘小学校の自然観察学習園(ビオトープと植物栽培の観察学習園)は、自然観察、自然体験といった学習目的だけでなく、児童・保護者や 地域住民が身近に植生物とふれあうことができ、自然体験ができる環境を整えるために、創立百周年記念事業として南西敷地内に建設する」こととしている。
 面積:300㎡
 植栽:樹木(みかん・金柑・かりん等)
    草花(自生のつくしやタンポポ等のほか、四季折々の草花)
    野菜(天王寺蕪・田辺大根等のなにわの伝統野菜)

都市農業の機能発揮

評価ポイント!

・都市部の小学校では自然や農業を学習する際、校庭の一部や屋上、近隣農家の畑を活用するケースが多い中で、晴明丘小学校の取組みは先進的な事例といえる。
・観察学習園では、自然の生態系を身近に感じることができるビオトープエリアと、野菜・花づくりのエリアによって、自然に出会えるとともに人が集い、楽しんで維持することが継続されており、ESD(持続可能な開発のための教育)が実践された環境教育の場となっている。
・地元のなにわの伝統野菜の栽培・収穫により、食育教育の場にもなっている。

団体概要

団体名大阪市立晴明丘小学校 地域園芸クラブ
活動地域大阪市阿倍野区晴明通
問い合わせengei_sewa@seimeigaoka.com
ホームページhttp://seimeigaoka.com/